▼表面改質(溶射)
溶射とは
『溶射(ようしゃ)』とは、金属やセラミック、プラスチックなどの材料を溶かしたり加熱して軟化させ、細かい粒子状にして高温・高圧のガス流やプラズマで吹き付け、基材の表面にコーティングする技術です。
このプロセスにより、基材の表面に耐摩耗性、耐食性、耐熱性、断熱性などの特性を付与することが可能です。
大きくは耐摩耗、耐腐食、耐熱、防錆など『高機能化』を目的とした溶射と、摩耗部品等の『補修・再生』を目的とした溶射に分かれます。
溶射は、表面処理技術として多岐にわたる用途があり、製品の機能向上や寿命延長に寄与しています。
溶射の主な特徴
■多様な材料の使用が可能:
コーティングの材料選択肢が広く、多様な用途に対応。
金属、合金、セラミック、プラスチックなど、さまざまな材料をコーティングに使用でき、
基材の特性を変えずに表面性能を向上できます。
■基材表面に新しい機能を付与可能
例: 耐摩耗性、耐食性、耐熱性、電気絶縁性 … 等
■基材の材質を問わない
金属、セラミック、プラスチックなど様々な基材に適用可能
■基材に与える熱の影響が少なく、変形が起きにくい。
溶射プロセスは、基材の加熱を最小限に抑えるため、基材の特性が大きく変化することがありません。
部品寿命を延ばし、メンテナンスコストを削減できます。
共進SF 溶射プロセス
弊社では、4つの溶射プロセスをご用意しており、ほぼ全ての溶射案件に対応可能です。
材料選定から施工まで、長年培ってきた技術と経験で、弊社採用の最善のご提案をいたします。
高温の燃焼ガスを熱源として、超音速
(音速の3~5倍)のガスジェットで、
粉末溶射材料を基材に衝突させ皮膜を
形成します。
WC系サーメット材料を用いた耐摩耗
溶射に広く利用されており、高密度、
高付着力、高硬度などの特性をもって
います。
緻密で気孔が少ない付着力の大きな
皮膜を作る事ができます。
❷PLASMA溶射(セラミック溶射)
プラズマ溶射ガンで生ずるプラズマジェットを
熱源として、粉末状の溶射材料( 高融点材料)
を加熱、加速し、溶融またはそれに近い状態に
して素地に吹き付けて皮膜を形成する溶射です。
高融点の金属、サーメット、セラミックスを
はじめ、ほとんどの材料を溶射することができ、
基材と溶射皮膜の密着性が高いなどの特性を
もっています。
❸METALLIZING溶射(金属溶射)
酸素と可燃性ガスとの燃焼炎を用いてワイヤー状の
金属系溶射材料を加熱し、溶融またはそれに近い
状態にして素材に吹き付けて皮膜を形成する溶射
です。
どんな母体の上にも、熱影響を与えることなく、
どんな金属でも溶射肉盛が可能。
寸法回復や肉盛溶射、防錆溶射として使用され
ます。
❹自溶性合金溶射
Ni基、Co基の合金に、ホウ素(B)・ケイ素(Si)
を添加した自溶製合金粉末を溶射材料に用いて
行う溶射です。
溶射後にフュージング処理を行うことにより、
密着強度の高い、気孔も殆どない良質な皮膜を
形成します。
主に耐磨耗性・耐エロージョン性・耐食性・
耐高温酸化性に優れるため、様々な環境下で
使用する事が可能です。