溶射(4プロセス)
溶射とは

溶射とは、溶射材と呼ばれる材料を加熱して基材に吹き付け、皮膜を形成する表面処理法の一種です。
大きくは耐摩耗、耐熱など『機能向上』を目的とした溶射と、軸部摩耗等の『補修・再生』を目的とした溶射に分かれます。
熱源に燃焼炎やプラズマなどを用い、溶射材を液滴化して、高速ガス流などによって、基材表面に吹き付けます。
液滴や微粒子状になった溶射材は「溶射粒子」と呼ばれ、この粒子が基材表面で凝固し密着することで皮膜を形成します。
塗装などと同様にマスキングにより対象物の特定の部分のみに施工でき、また、溶射粒子が運ぶ熱量は小さい為、基材への熱的影響を最小限に抑えた状態(基材への熱影響が殆ど無い)で施工が可能です。
弊社では、4つの溶射プロセスをご用意しており、機能向上から再生まで対応可能です。
材料選定から施工まで、長年培ってきた技術と経験で、弊社採用の最善のご提案をいたします。
❶HP-HVOF(超高圧・高速)溶射
❷PLASMA溶射
❸THERMO SPLAY(自溶性合金)溶射
❹METALLIZING(ワイヤー)溶射
特徴
★いろいろな材質の基材(※)に対して、被膜形成が可能。
※金属、セラミックス、プラスチック、木等
★溶射材料(※)の種類が豊富な為、耐熱、耐食、耐摩耗等、
★溶射材料(※)の種類が豊富な為、耐熱、耐食、耐摩耗等、
様々な機能を付加する事が可能。
※金属、セラミックス、プラスチック、サーメット等
★現地施工が可能。
※橋梁、鉄塔などの大きな被施工物にも適用できて、現地での施工が可能。
★厚い被膜が作製でき、他の表面処理法と比べて成膜が速い。
★厚い被膜が作製でき、他の表面処理法と比べて成膜が速い。
※膜厚は一般的に0.2~0.3㎜(メッキは一般的に0.02~0.03㎜)
★基材に与える熱の影響が少なく、変形や歪みを起こしにくい。
★基材に与える熱の影響が少なく、変形や歪みを起こしにくい。
※変形歪みが無い為、軸の補修等に最適
❶ HP-HVOF(高圧・超高速)溶射

高温の燃焼ガスを熱源として、超音速(音速の2.5倍)のガスジェットで、粉末溶射材料を基材に衝突させ皮膜を形成します。
WC系サーメット材料を用いた耐摩耗溶射に広く利用されており、高密度、高付着力、高硬度などの特性をもっています。緻密で気孔が少ない付着力の大きな皮膜を作る事ができます。
❷ PLASMA溶射

プラズマ溶射ガンで生ずるプラズマジェットをを熱源として、粉末状の溶射材料( 高融点材料)を加熱、加速し、溶融またはそれに近い状態にして素地に吹き付けて皮膜を形成する溶射です。
高融点の金属、サーメット、セラミックスをはじめ、ほとんどの材料を溶射することができ、基材と溶射皮膜の密着性が高いなどの特性をもっています。
❸ THERMO SPLAY(自溶性合金)溶射

Ni基、Co基の合金に、ホウ素(B)・ケイ素(Si)を添加した自溶製合金粉末を溶射材料に用いて行う溶射です。
溶射後にフュージング処理を行うことにより、密着強度の高い、気孔も殆どない良質な皮膜を形成します。
主に耐磨耗性・耐エロージョン性・耐食性・耐高温酸化性に優れるため、様々な環境下で使用する事が可能です。
❹ METALLIZING(ワイヤー)溶射

酸素と可燃性ガスとの燃焼炎を用いてワイヤー状の金属系溶射材料を加熱し、溶融またはそれに近い状態にして素材に吹き付けて皮膜を形成する溶射です。
どんな母体の上にも、熱影響を与えることなく、どんな金属でも溶射肉盛が可能。
寸法回復や肉盛溶射、防錆溶射として使用されます。