❹自溶性合金溶射
自溶性合金溶射とは
自溶性合金溶射は、溶射プロセスの一種で、自溶性(自己融着性)を持つ合金材料を使用して、基材表面にコーティングを形成する技術です。特に、溶射後に**再溶融(フュージング処理)**を行うことで、基材との強固な密着性と高密度なコーティング層を得ることが特徴です。
摩耗や腐食などの過酷な条件下で使用される部品の寿命を大幅に延ばすために、非常に効果的な技術です。特に耐摩耗性や耐食性が求められる産業機械やプラント設備で広く利用されています。
※自溶性合金とは?
- 自溶性合金は、コバルト、ニッケル、鉄をベースに、ホウ素やシリコンが含まれる合金です。
- ホウ素やシリコンの効果で、低い融点と優れた溶接性が得られ、基材と化学的に結合します。
- 高硬度や耐摩耗性、耐食性を有し、産業用途で広く活用されています。
自溶性合金溶射の特徴
- 強固な密着性
再溶融によって基材とコーティングが化学的に結合し、剥がれにくい。 - 高密度コーティング
溶射後の再溶融でピンホールや空隙を解消し、緻密なコーティング層を形成。 - 優れた耐摩耗性・耐食性
ニッケル基やコバルト基合金は、過酷な環境での耐久性に優れる。 - 多様な基材に対応
金属基材を中心に幅広い材料に適用可能。
■自溶性合金溶射の用途
- 耐摩耗部品
- 耐食環境
- 修理・補修
- 高温環境での使用