シャフトのシール当たり部の補修方法
シャフトのシール当たり部に溝ができる原因と補修方法
設備のシャフトで、オイルシールやグランドパッキンが当たる部分に溝ができることがあります。
シール当たり部に摩耗や段付きが発生すると、油漏れ・水漏れ・異物混入・シールの早期摩耗につながる場合があります。
新品のシールに交換しても漏れが止まらない場合は、シール側ではなく、シャフト側の当たり面が摩耗している可能性があります。
シール当たり部に溝ができると起こる症状
シール当たり部が摩耗すると、次のような症状が出ることがあります。
- オイル漏れが止まらない
- 水漏れが発生する
- シール交換後もすぐ漏れる
- シャフト表面に溝や段差がある
- シールの摩耗が早い
- 摺動部が黒く変色している
- 軸表面が荒れている
シールはシャフト表面に接触しながら密封するため、当たり面の状態が悪いと本来の性能を発揮できません。
シール部が摩耗する原因
主な原因は、シール材とシャフト表面の長時間の摺動です。
使用環境によっては、異物の噛み込み、潤滑不足、芯ズレ、腐食などによって摩耗が進みやすくなります。
特に、粉じん・水・薬液・スラリーなどが関係する設備では、シール部の摩耗や腐食が早く進むことがあります。
補修方法
シール当たり部の補修では、摩耗した部分を整え、溶射や肉盛溶接によって寸法を回復し、仕上げ加工で表面を整えます。
一般的な流れは次の通りです。
- 摩耗部の確認
- 寸法測定
- 前加工
- 溶射または肉盛溶接
- 旋盤加工・研磨仕上げ
- 寸法・表面状態の確認
シール部は、寸法だけでなく表面粗さも重要です。
粗すぎるとシールを傷め、滑らかすぎても使用条件によっては密封性に影響する場合があります。
溶射が向いているケース
溶射は、比較的浅い摩耗や表面機能の改善に向いています。
- 摩耗が一部分に限られている
- 熱による歪みを抑えたい
- 表面の耐摩耗性を上げたい
- 腐食対策も考えたい
- 図面がなく現物合わせで補修したい
- 新品製作より早く復旧したい
材質や使用環境によって、金属系・セラミック系・超硬系などの皮膜を検討します。
補修が難しい場合
次のような場合は、補修ではなく新品製作や別の方法を検討することがあります。
- シャフト全体に曲がりがある
- 腐食が深い
- 亀裂がある
- シール部以外も大きく損傷している
- 使用条件に対して母材強度が不足している
補修できるかどうかは、摩耗部だけでなく、シャフト全体の状態を確認して判断します。
相談時に必要な情報
お問い合わせの際は、次の情報があると確認しやすくなります。
- 摩耗部の写真
- シャフト全体の写真
- シールの種類
- 使用環境
- 回転数
- 漏れているもの
- 図面の有無
- 希望納期
写真だけでも、補修できそうかどうかの大まかな判断ができる場合があります。
まとめ
シャフトのシール当たり部に溝ができると、シール交換だけでは漏れが止まらないことがあります。
摩耗が一部分に限られている場合は、溶射や肉盛溶接によって寸法と表面状態を回復できる可能性があります。
オイル漏れ・水漏れ・シールの早期摩耗でお困りの場合は、シャフトの状態を確認することをおすすめします。

