硬質クロムメッキの代替に溶射は使える?
硬質クロムメッキの代替に溶射は使える?耐摩耗・耐食・寸法補修の違い
硬質クロムメッキは、耐摩耗性や摺動性を高める表面処理として、長年さまざまな機械部品に使われてきました。
一方で、使用環境や補修内容によっては、溶射が硬質クロムメッキの代替候補になる場合があります。
溶射とは、金属、合金、セラミック、サーメットなどの材料を高温で加熱し、部品表面に吹き付けて皮膜を形成する表面改質技術です。摩耗部の寸法復元や、耐摩耗性・耐食性・耐熱性の向上を目的として使用されます。
硬質クロムメッキと溶射の大きな違いは、形成できる皮膜の種類と厚みです。
硬質クロムメッキは比較的薄い皮膜で、滑らかな仕上がりや摺動性に優れています。
一方、溶射は材料選択の幅が広く、WC系、Cr₃C₂系、酸化クロム系、ステンレス系、自溶性合金系など、使用環境に合わせた皮膜を選ぶことが可能です。
また、溶射は摩耗した部分にある程度の厚みを持たせて肉盛りできるため、寸法補修を兼ねた表面処理としても使いやすい方法です。
例えば、次のような用途で検討されます。
- シャフトの摩耗補修
- ローラー外径の再生
- ポンプ部品の耐摩耗対策
- スリーブ類の寸法復元
- 硬質クロムメッキでは寿命が足りない部品
- 耐摩耗性をさらに高めたい摺動部品
ただし、すべての硬質クロムメッキを溶射で置き換えられるわけではありません。
相手材との相性、面粗度、シール材との摺動、荷重、潤滑条件、膜厚、仕上げ精度などによって、最適な処理は変わります。特にシール部品やパッキンと接触する部位では、皮膜の硬さだけでなく、表面粗さや相手材への攻撃性も重要になります。
共進サーフェーシングでは、部品の使用条件を確認したうえで、硬質クロムメッキ、溶射、肉盛溶接などの選択肢を比較し、目的に合った補修方法をご提案します。
硬質クロムメッキ品の摩耗、メッキ剥離、寿命不足でお困りの場合は、使用環境や現品写真をお知らせください。
溶射による代替可否をご相談いただけます。

